こんにちは。
ポーカーは心理戦のゲームとよく言わていました。
それは、非完全情報ゲームであることから、運の要素などが含まれることや、対人間であるため、相手の表情や行動を観察してブラフなどを仕掛けたりすためです。
このように、相手の癖や表情、心理状況を考察して、相手に合わせた戦略を取ることをエクスプロイトといいます。
しかし、昨今は、オンラインポーカーが流行し、相手の表情がわからない状況で、ポーカーを行うようなったことからエクスプロイトの対義語である、GTO(ゲーム理論)がポーカーの最適解となりつつあります。
つまり、昔のように心理ゲームと言われることは少なくなってきています。
かく言う、私もポーカーを7年やってきていますが、最近は相手の心理状態などは考絵より先に、GTO戦略を取るような思考に変化しています。
ところが、7年ポーカーをやってきてもポーカーを始めた時から苦労していることがあります。
それは、メンタルコントロールです。
ポーカーは上述のとおり、相手の癖や表情を考察する場合(相手の感情)と、ティルトやマネープレッシャー(自分の感情)の二つがあることを理解することが重要です。
そして、本記事では、エクスプロイトかGTOかを議論するような内容ではありません。
ポーカーにおいての基礎である、自身のメンタルコントロールについて、理解を深め、これからのポーカーライフに活かしていくことが目的とすることとします。
みなさんも、ぜひこれを機にメンタルを鍛え、さらにレベルアップした、ポーカープレイヤーを目指しましょう。
ティルトとは
ティルトとは、一言で述べるのであればひどいプレーをしているという状態です。
ただし、この概念はあまりにも幅が広すぎます。
場合によっては、勝っている状況でもひどいプレーをしている場合は、ティルトしている状態であるといえます。
しかし、本記事でティルトの概念を語るのは目的を反しているため、
今回は、ティルト=怒り+ミスプレーとすることとしましょう。
ティルトの7つのタイプ
とは言っても、ティルトを防ぐためには、ティルトについて理解しておかなければならないと思います。
そこで、ティルトには大きく7つのタイプがあることを理解しておきましょう。
悪い流れティルト
悪いカードやミスプレーが連続しておきるこことで、自身の精神を落ち着かせる余裕がなくなることで起きるティルトです。
不公平ティルト
バットビートなど有り得ない確率によって負けてしまうことで訪れるティルト
負けず嫌いティルト
ポーカーにおいて、分散というものを十分に理解していても、格下の相手や、ライバル心を抱いている相手に負けることで、引き起こすティルトです。
ミステイクティルト
分かっていたけども、ミスしてしまったり、バリューを取り損ねた時などに起こるティルト
権利ティルト
負けず嫌いティルトと似ているが、当然ここでは勝つであろうと予想される状況で、自らの思い通りにいかない時に起きるティルト
復讐ティルト
相手からのリスペクトの欠如や、アグレッシブなプレーなど威圧的な態度をされた時に引きおこるティルト
死に物狂いティルト
失われたお金を何としてでも取り戻したいというあまり、ロングセッションや、ステークスを上げてしまうティルトのこと
いかがでしたでしょうか。
この7つのティルトについて、経験がある人は少なくないでしょう。
私もそのうちの一人です。
特に私はライブでは「負けず嫌いティルト」が出やすいと自覚しています。
オンラインでは、「死に物狂いティルト」が出やすいです。
このようにティルトを理解し、自らの欠点も理解することによってティルトを起こさない強靭なメンタルを作りあげることができるというわけです。
【補足】相手のティルトを理解する「バリュー視点」
これまでティルトについて、説明してきました。
ティルトの抑制は、自らがチップを奪われないための一つ方法ですが、逆を言えば、ティルトを正しく理解することで、相手へつけ込むことができるようになります。
相手はティルトしている。では、どのようなティルトなのか?
それを考え、MAXバリューを取ることが、重要になってきます。
メンタルコントロールの具体的な取り組み
さて、それでは、7つのティルトタイプへの具体的な対策をまとめていきます。
どれも、分かっているけどできないよ。というものばかりかもしれません。
でもそれは当たり前です。分かっているだけで行動に移せたら、全員最強です。
まずは、今回の対策を実際に一つでも二つでもできるようになることを目指してみてください。
悪い流れティルト
悪い流れティルトはプレーの質よりも結果に焦点を当て始めた時あたりに起こります。
そして、このような時に起こる行動が「利確(利益を確定させること)」
利確は決してダメな行為と言い切ることはできませんが、本質的な成長には繋がらないことの方が多いです。
できるだけ避けてみましょう。
ただし、明らかにこの状況でやってもプレーが良くならないと判断できるときは利確は正しい判断となりえます。
次に、ポーカーと実生活を切り離すことです。
その方法は、ガス抜きを紙に書き出すこと。ほとんど人は、ガス抜きを、他人への八つ当たりや、自分自身や物に八つ当たりをします。
それをこらえて、紙に書き出す癖をつけてみましょう。そうするといったい自分は何に腹を立てていたたのか自然と整理することができ、客観的に自分を見ることができるようになるでしょう。
また、悪い流れが続いてティルトになっている時、こんな時はありませんか?
自分にAAが配られたが、どうせこれも負けるんだろうと勝手に予想してしまい、実際に負ける。
このような時は、精神をリセットすることが重要です。
すぐさまポーカーからは離れてください。
少なくとも1日、人によっては、2~3日。そして、帰って来た時に自分がリフレッシュできていると思えれば、セッションスタートです。
不公平ティルト
不公平ティルトについては、「ザ・メンタルゲーム」で数ページにわたって解説されていますが、
要点をまとめて、一言で言うなら、「不公平ティルトに陥っているときは、学習を諦めた時」
であるということです。
不公平は実際に何度もポーカーでは訪れます。
そして、ポーカーで負けている理由を分散であると考えてしまいます。
一方で勝っている時は、自分のスキルがあると考えてしまい分散で勝っていると考えることは少ないのではないでしょうか?
つまり、不公平ティルトとは、分散を言い訳したものに過ぎないのです。
確かにバットビートはあります。信じられないくらい、それと反対にラッキーもあります。と言いたいわかではありません。
不公平を言い訳にしている時点でポーカープレイヤーとしては失格であるということです。
不公平が起きた時は、本当に不公平なのか、自分のプレーに誤りがなかったのか、調べ学習をする癖をつけましょう。
負けず嫌いティルト
前提として、競争心というのは素晴らしい気質です。成功しているアスリートやプロポーカープレイヤー、ビジネスマンは、みなこれを持ち合わせています。
つまり、ポーカーにおいて競争心が高いというのは、それ自体については、悪い事ではないということです。
次になぜ負けることが嫌なのか考えていきましょう。
それは勝って得られるものを考えたらすぐにわかります。
・相手よりも優れているという自信
・生活費が増える
・相手からのリスペクト(他人からの評価)
・ポーカーに費やした、時間や労力が報われた気がする
などが上げられます。
負ければ、これらを得ることができなくなります。
つまり、これらを得ることできないからティルトするのです。
そのことを解消するには、まずは問題を明確化し、勝利の定義づけが必要になります。
先ほど上げた他人からのリスペクトされることや、己の自信などが勝利であるとするのであれば、
それらについて、具体的に表現して定義づける必要があります。
例えば、バイインの60倍のバンクロールが溜まったら、己の自信になるとか、5年以上ポーカーで食べていけることが、他人からリスペクトされている証拠であるなど、自分なりの勝利の定義を整理するのです。
そうすることで、一つ事象での負けという考えを少しでも緩和することができます。
ミステイクティルト
ポーカーはミスがあるゲーム、あるいは正解が分かりにくいゲームです。
これは、どんなポーカープレイヤーでもわかる常識です。
しかし、理解とは反対に自分はポーカーではミスをしない生き物だと思ってしまっています。
これが、ミステイクティルトの原因です。
すなわち完璧主義であるからこそ起こりうるティルトと言えるでしょう。
これを解決するためには、完璧というものには、到達することはできないと再認識することが重要です。
1.より現実的になること
2.完璧を目指すのではなく、ミスを最大限減らす
3.完璧にできたプレーやミスプレーを復習する
権利ティルト
権利ティルトは、自信過剰や亭主関白的な思想がある人に多いです。
自分が、相手より強いプレイヤーであるとわかったときに、その相手から負けるとティルトになります。
反対に自分が相手より弱いとわかったときは、なりません。
この強い、弱いというのは、主にポーカーにおける、ポーカー歴や、ステークス、経験などから想像して、自ら決めつけてしまうことが多いです。
ポーカーは、対相手であると同時に、対自分でもあるのです。
まずは、自分の勝手な想像や妄想に頼らず、現実的な立場を整理し、フラットな気持ちでポーカーに向き合うことが必要です。
復讐ティルト
復讐ティルトの予防方法は以下のとおりです。
1.激しい怒りを予期する
復讐ティルトは、相手の行為やアクションによって引き起こされるものです。それに伴い自分の精神が怒りへと変化していまいます。しかし、負けず嫌いティルトと同様、少しの怒りはむしろモチベーションを高めいい効果をもたらします。
怒りを予期した上で、残った冷静な感情とそのモチベーションを上手く利用し、相手からバリューを取りましょう。
2.相手はこちらをイライラさせてくる
相手はイライラさせてくるのが、手口です。それをわかった上で、冷静でいられるように事前準備をしておく必要があります。
3.相手のアクションを観察
相手の目的は、こちらをイライラさせてくるくることであるため、アクションや行動には必ずスキや癖があります。それらを注意深く観察しておきましょう。
死に物狂いティルト
死に物狂いティルトはいわゆるギャンブル依存症と近しいものです。
負けているときは、プラマイゼロになるまでやめられない。
やめなきゃいけないと分かっているのにもかかわらず、プラマイゼロにするためにはどんな手段を使っても戻したいと思ってしまう。
ポーカープレイヤーになるためには、まず第一に直さなければならない、ティルトかもしれません。
そんな死に物狂いティルトの改善策を記載しておきます。
1.切迫感を持つこと
ここまで読んで、死に物狂いティルトがすぐに治ると思った方はいませんでしょうか?
死に物狂いティルトはそんな軽い気持ちで治るものではありません。相当な覚悟をもって治す気で取り込まなければならないということをまずはお伝えします。
2.損切りの厳格な線引きを行う
誰しも損切りのラインは決めたことがあると思います。
ただし、本当にそれに従えた人は少ないでしょう。。。
3.定期的休憩あるいはタイマー
休憩はゾーンに入ってるときは、休憩してしまうことで、気持ちがゼロクリアしてしまう恐れもありますが、ティルトしている時にはとても有効なものになります
4.ティルトの兆候が現れたら強制的に対処する
ティルトになっているとわかったとき、直ちにプレーを止めるのはいい判断です。
5.死に物狂いティルトになったとき、この記事を読んで心を落ち着かせる
この記事を読んで少しでもティルトが収まることを期待しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ティルトとその対処法について解説していきました。
これらの内容は、ポーカーにおいてだけでなく、日常生活でも役に立つと思っています。
一流プレイヤーの人間性が素晴らしい理由は、己の感情をコントロールできているからかもしれません。
ポーカーは、人としても成長させてくれるゲームですね!
これからも努力していきましょう。
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